臓器別治療法


<難治性小細胞性肺がんの治療成績>


 既に2つの治療法に対して抵抗性になった小細胞性肺がんに対しては、いくつかの治療法の選択肢がありますが、決定的に優れているといえる治療法は今のところ存在しません。そのため1つの治療法の成績にこだわらず、希望する限りできる多くの治療法にチャレンジする考えも重要です。

1.GEMを中心とする治療法 
 GEM+VNR、GEM+CPT-11などが挙げられます。前者はLung 2005 183 43-52やLung Cancer 2005 Aug 49 241-244 などにあるように、総じて副作用は少ないのが利点ですが、PRは10%以下、6ヵ月以上のSDを入れても腫瘍制御率は30%前後にとどまり、当サイトの例でも同様の成績です。外来で施行可能で高齢者には行いやすい治療法ですが、成績には満足できません。

2.タキソテール、タキソールのDDS製剤(アブラキサン)を使用する
  治療法

 現在当サイトでもThird-lineの治療法として推奨する治療法です。
 PRは20%程度が見込まれ、有望な治療法です。脱毛が生じやすいのが欠点ですが、白血球減少の程度もG-CSFの投与が必要となる例は少なく、平均奏功期間約3.8月であり、延命効果が期待できると考えられます。特に副作用軽減には分割投与したほうがベターでしょう。

3.ドキシルを使用する治療法
 ドキシルは単独で使用可能な薬剤ですが、2に比べるとやや奏効率が劣る印象があります。しかし高齢者にも安全に投与可能であり、骨髄毒性も少ないと言えます。従って、GEM+ドキシルは2に負けず優れた治療法であると考えられ、今後の成績も症例が集まり次第発表しようと思います。ただし過去にアムルビシン投与で効果がなかった場合、ドキシルは奏効しない可能性が高いと思われます。


 以上まとめると、治療抵抗性小細胞性肺がんには更に2つ以上の治療法が残存しており、どの薬を使うかはケースバイケース(過去の治療法の相性にもよる)ですが、全て使用可能なら平均すると奏功率30〜40%程度、こうした治療によって得られる更なる平均延命期間は7ヵ月以上と評価されます。

2005年12月5日


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