臓器別治療法


<非小細胞性肺がんの治療法マニュアル>


  (1)進行期分類

 術後化学療法の有効性は1B〜3A期において確認されている。
 術後放射線治療法の有効性は確認されていない。

 切除可能(Stage3B〜4期)の場合、長期生存を期待するなら2つのパターンがある。
 ・パターン1:
  良く対応する分子標的薬が存在する。ローテーションを行う。
  (イレッサ・ターセバ)

 ・パターン2:
  サンドイッチ療法を行う。

CDDP+VNR
3サイクル

放射線療法(60Gy) 
手術可能
ならば手術
地固め療法としてタキソテール
3〜6サイクル
(EGFR遺伝子変異陽性なら
イレッサの投与も検討)

 平均生存期間3年以上、5年生存率30%以上 > 期待できる
 
IALT 2003年ASCO Stage3A CDDP+αの
併用療法
5年生存率4%改善
JLCRG 2003年ASCO Stage1B UFT単独 5年生存率2.5%
JBRIO 2004年ASCO Stage2A・2B CDDP+VNR 5年生存率14%
ANITA 2005年ASCO Stage2・3A CDDP+VNR 2年生存率5.1%
5年生存率8.6%
CALGB
9633
2005年ASCO Stage1B CBDCA+PJX 4年生存率12%

※Stage1B UFT単独
 Stage2〜3A CDDP+VNR が推奨される。
 (EGRF遺伝子変異陽性 イレッサの投与も検討)


(2)再発・切除不能な化学療法

   通常の化学療法は薬を与えても First → Second → Third と後ろに行くほど奏効率は次第に低下していく。
 例えばタキソテールをFirstで使用した場合もThirdで使用した場合も同じ奏効率ではない。又、耐性化したら組合せを変えない限り、まず奏効しないことが多い。
 しかし、分子標的薬はどのタイミングで投与してもほぼ同じ奏効率を持つ。耐性化した場合も休薬すれば奏効する可能性が大である。アリムタも分子標的薬に類似する性質がある。

 肺がんはかなり個人差があり、Key Drugが各々症例によって異なる。多々あるので早めにKey Drugを見つける努力が必要である。全ての抗がん剤に反応する患者も、反応しない患者も極めて少ないのが現実と言える。

※長期生存するコツは、Key Drugを早期に見つけ確保した上で残りの薬を全て試行し、自分に相性の良い薬を見つけ出すこと。Key Drugに頼りきりだといざ効かなくなった時、次の治療法がギャンブルになってしまう。あらかじめ退路を確保した上で新しい薬にチャレンジする考えが重要といえる。

(分子標的薬(イレッサ・ターセバ)との相性の良い薬剤)
  ランクA : CPT-11・VNR
  ランクB : GEM ・白金製剤
  ランクC : タキサン系

 従って、分子標的薬の使用は早ければ早いほど良く、女性・腺がん・喫煙歴なしを2条件以上満たせば、First-Lineでの投与が望ましい。


(3)当院での実際使用例

(分子標的薬 奏功)
 イレッサ → タキソテール → イレッサ+ホルモン剤
 → ジェムザール → ターセバ → カルボプラチン+タキソール
 → イレッサ+ナベルビン → シスプラチン+アリムタ

(分子標的薬 奏功せず)
 カルボプラチン+タキソール → タキソテール → ナベルビン
 → イリノテカン+ジェムザール → シスプラチン+アリムタ
 → シスプラチン+TS−1 → オキザリプラチン

2006年4月15日


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