<2010年ASCO 肺がん速報
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今回のASCOの肺がんに関する発表で特に注目すべき新薬は見られないものの、維持療法の重要性と、個別化診療の重要性が示されたことが特徴的と言えます。 こうした進歩も知らずにひたすら自己流の治療法を押し付ける不勉強な老医師は、少なくともがん治療の分野からは撤退すべきでしょう。また個人ごとの治療法の組み立てができず、標準治療と称して画一的な治療法を押し付ける医師も退場する必要があると思います。 1)維持療法の重要性 昨年のASCOにおいて、切除不能非小細胞性肺がんの治療でEGFR変異陽性の場合はイレッサ又はタルセバをFirst-lineに使用すべきで、それ以外の場合は白金製剤+新規薬剤(タキソール、GEM,VNRなど)を、非扁平上皮がんの場合はそれにアバスチンを追加するというのが標準治療法とされました。 またその治療法終了後は何もせずに再発、再悪化を待つのではなく、アリムタ、タルセバ、アバスチンのいずれかで維持療法を行い、悪化したら次の治療法に変更していくという方法が世界的にコンセンサスとなりました。 (しかし残念ながら、日本国内のがん拠点病院の多くがFirst-lineの治療終了後に放置し、みすみす患者を見殺しにしている事実を指摘しておかなくてはなりません。) 2010年ASCOにおいてもNo.e18146、No.7507、No.TPS290で維持療法の重要性が示されました。 しかしGEMが維持療法に役立つかどうかはNo.7606では否定的、No.7507では認められたため、その評価は留保が必要です。 2009年時点で認められたタルセバ、アリムタ、アバスチンに関しては、維持療法の有効性について評価は変わらないため、この3剤を使用すべきだと考えます。 こうなると、もしも維持療法をしない医師がいたなら、犯罪的だと評されてもしかたがないでしょう。 2)脳転移、骨転移には個別の対応が必要 No.7635によると、非小細胞性肺がんにおいては平均16.4%で脳転移が生じます。その中で女性、60歳以下、腺がんでは特に脳転移が生じやすいようです。 さらに脳転移が生じた非小細胞性肺がんの多くの死因が、脳転移の悪化であることも示しています。 つまり脳転移の制御は、他の原発や転移の制御より相当重要であると言えます。極論すると脳転移が制御できない治療は意味がないとさえ言えるかもしれません。 しかし問題なのは脳転移を制御する治療法です。全脳照射は1回しかできません。(ガンマナイフ、サイバーナイフなら可能ですが。) 分子標的薬は通常の抗がん剤よりも脳転移に奏功しやすいですが、それも奏功しなくなったらどうするべきでしょうか? この問題の回答となるのがNo.7595、No.e18047で、脳転移に対してアリムタの有効性を示しています。他の抗がん剤が脳転移に効き難いため、これは非常に貴重な報告です。 また骨転移がある(疑いがある)非小細胞性肺がんに対しては化学療法単独と、化学療法・ゾメタの併用では、奏功率、生存期間共に後者の方が優れている事がNo.e18077で示されました。 つまりゾメタは単なる骨転移疼痛の緩和だけでなく、骨転移の予防しいては血管新生阻害剤としての効果もあるということが示されたのです。 当サイトでは骨転移がある例では勿論、骨転移がない例でもなるべく早期からゾメタを投与すべきと主張してきましたし、改めてそれが正しかったと証明されたのです。 できるだけ長く生きたいと思われる非小細胞性肺がんの方はゾメタを投与すべきでしょう。 |
| 2010年6月21日 |
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