臓器別治療法


<乳がんの治療法が大きく変わる2。閉経前乳がんにタモキシフェンの投与は本当に必要なのか?ZIPP試験の分析>



 この結果もまた日本の乳がん治療に大きなインパクトを与えた発表ですがなぜか多くの乳がん専門医達が取り上げていることを避けています。
これまた不思議な現象です。新しい臨床試験の結果より今までの自分の治療法が正しくないということは良くあることです。それで責任を問われることはありませんし責任を感じることもありません。重要なことは過ちを改めるにはばかることはなかれです。
ZIPP試験とは閉経前乳がんをLH-RH単独群、TAM単独群、LH-RH+TAM併用群、ホルモン療法なしの群の4つに分けて平均生存期間、無病生存期間を比較した試験です。
この試験により明らかになった事は以上です。
1、TAM非投与群ではLH-RHアナログ投与は予後を改善する。
2、TAM投与群ではLH-RHアナログの追加は予後は変わらない。意味がない。
3、LH-RHアナログの治療効果は化学療法で閉経しない場合に特に効果がある。
しかし化学療法の有無によりホルモン療法の結果に左右される可能性がある。

 この結果より化学療法未施行群においてはTAM+LHーRH併用療法で意味はあるが化学療法で閉経状態になった場合はTAM単独でLH-RH追加は効果がない。しかし逆に言えば閉経状態ならアロマターゼ阻害剤>TAMであるためそもそもTAM投与は意味がないということになる。
従いホルモンレセプター陽性閉経前乳がんのおける現時点で最善の治療はアロマターゼ阻害剤(+LH-RHアナログ)であることに異議を申し立てる医師はいないと思われる。次善の策としてはTAM単独であろうがこれを選択するのはいかがなものかと思われる。

 当サイトでは閉経前乳がん患者がアロマターゼ阻害剤+LH-RHアナログ併用療法を希望される場合は援助する用意がある。勿論主治医と相談の上どちらか片方ずつの治療をそれぞれの医療機関で行うことも可能であろう。
 
またhttp://www.novartis.co.jpの2010年12月15日の広報リリースによるとAZURE試験の解釈があり認識を訂正する必要があります。
早期乳がんの補助療法としてゾメタの併用は全体として上乗せ効果はないが(ホルモン療法により)閉経後状態になっている乳がん患者においてゾメタの投与は無病生存期間と全生存期間を延長する効果がありました。この結果を否定して閉経後状態にある乳がん患者へのゾメタの投与を否定する医師はまさかいないと思いますが...........。もしそう思う医師が周りにいましたら是非このプレスリリースを教えてあげてください。

 当サイトでは今後もホルモン療法を施行している乳がん患者へのゾメタへの併用を推奨します。
特別な先入観がない限りまともな医師ならこの臨床試験の結果はそうとしか解読できません。

 
2011年2月11日


>>臓器別治療法Topへ



Since 2004 Copyright (C) Takaki Imamura, All rights reserved.