<がん患者のQOLを上げるにはどうしたらいいか。抗がん剤治療のみの標準治療法の限界を考える> |
|
昨年、今年のASCOの発表を見ているとがん治療に2つの潮流が浮かびあがってきます。1つは当サイトで数年前から再三再四呼びかけていた標準治療から(がん患者毎に)オーダメイド型治療への転換でもう1つはがん治療に当たる時にがん患者のQOLを考える治療の潮流です。 進行がんにおけるがん治療に抗がん剤使用は必要ですし標準治療法は1つの目安として当然参考にするものです。しかし標準治療法のがん治療は抗がん剤の投与スケジュールと奏功性に重点がおかれしばしばがん患者のQOLが無視されがちなことは否めない事実です。 特に進行がん患者の食欲不振、体重低下、うつ、全身倦怠感の改善への研究はおろそかにされすぎた感があります。勿論当サイトではこうした点に注目し抗サイトカイン療法を呼びかけていましたが無視され続けていました。ようやくASCOでも積極的に取り上げられいくつかの臨床試験も組まれるようになってきたことを素直に喜びたいと思います。いつもながらこのサイトは先走りすぎて一部の人からは批判され多くの人から無視されて、しばらくしてこのサイトの記事の正しさを証明する事の繰り返しですがそれがこのサイトの宿命です。(批判していた人はころりと忘れまた違う当サイトの記事を批判しているという訳です(笑)無視していた人は大病院のお墨付きがついて初めて信用すると言うわけです笑) さて駄文と皮肉はそれくらいにしてASCOの記事を紹介します。 進行がん患者のQOL低下の原因であるサイトカインに注目した発表は胃がん、膵臓がん、肺がん、前立腺がんなどの固形腫瘍にみられます。 2010年ASCO No.4101、No.7622、No.7631、No.e19556 2009年ASCO No.27、No.3025、No.e16044 ,No.e15591などを是非参考にしてください。 これらの論文を読むとこうした進行がん患者における体重減少や食欲不振、全身倦怠感、うつ状態はIL−6、IL−1、TNF−αなどのサイトカインの作用が関与していること、このサイトカインをブロックする薬によりこうした体重減少や食欲不振を改善するデータが出ています。 2010年ASCO No.7622では全身倦怠感、体重の改善は見られること 同じくNo.7631では栄養状態を示すアルブミン値、貧血の改善が報告されています。2009年ASCO No.3025でも同じ改善効果が報告されています。 このように進行がんにおいて抗サイトカイン療法はこうしたるいそう、体重減少、全身倦怠感などを改善する効果は証明されています。 ひるがえって進行がん患者における免疫療法、代替療法の類は全てこうした効果は証明されていません。(少なくても大規模臨床試験で証明されていません) しかしながら免疫力を上げたいとか全身状態を改善したい希望を持つ進行がん患者は皆どうして誤った判断をしてしまうのか私には大変疑問です。 科学的に証明された抗サイトカイン療法ではなく未だ証明されていないしかも高額な免疫療法に目が向くのか?結論は明白でしょう。 そうした免疫療法や代替療法に手を出して進行がんの全身状態の改善を行いたい人は科学的な判断ができないその程度の頭脳を持つ人間だと言うことなだけです。 また標準療法の抗がん剤治療しか頭にない医者も同罪です。彼らはがんを叩くことしか頭になく進行がん患者のQOLを向上させる努力を怠るか無視しています。もし反論があるなら上記のASCOの論文の結果についてコメントを出した上で反論してください。 標準療法の抗がん剤治療を行いながらQOLを向上させるこうした抗サイトカイン療法を行うことはどこのがん拠点病院も拒否はできません。がん治療の車の両輪みたいなものです。 |
| 2010年8月30日 |
>>臓器別治療法Topへ |
| Since 2004 Copyright (C) Takaki Imamura, All rights reserved. |