臓器別治療法


<切除不能膵臓がんに対してGEM+nab-paclitaxelは
唯一切除可能になる効果を持つ 〜2010年ASCOより>



 米国Mayo clinicからの報告です。国内のがん拠点病院がしばしば発表するお手盛りデータと異なり、いやしくもMayo clinicからの報告ですから正確だと思われます。

 第101回米国癌研究会議(AACR)では、進行膵臓がんに対してGEM+nab-paclitaxelが生存期間の延長する(GEM+TS-1、GEM+白金製剤、GEM+タルセバなどの成績を上回る)という発表がありました。これは既に当サイトでも取り上げています。

 しかし今回の発表によると、切除不能膵臓がんに対するGEM+nab-paclitaxel併用療法は、23%の患者でダウンステージを可能にし手術を行えるようになったということです。
 現在までの発表において、切除不能膵臓がんを手術可能にすることができる治療法は、この治療法以外存在しません。


 実は当方ではおそらく日本で唯一、この治療法を切除不能膵臓・胆管がんに対して行い、30%の方でダウンステージが可能になり粒子線治療や手術を行えるようになりました。(※詳しくは過去の当サイトの記事をご覧ください。)
 尚、推測ですが当サイトの成績がやや上回るのは、血官新生阻害剤アバスチンも追加併用しているからかもしれません。またCA19-9が高いと奏功する可能性が高いようです。


 残念ながらこれほどの成績を出す治療法でありながら、国内の膵臓がん患者団体からは完全に無視され、インターネットの掲示板でも一部でその信憑性について酷評されているらしいですが(笑)、そうした方々が今回の発表をどう評価するか是非聞いてみたいものです。
 これもASCOなどの学会でデータが示されている治療法には見向きもせず、まだ膵臓がんには確立していない癌ワクチンをもてはやすレベルの人が多いこの国では仕方がないのかもしれません。(※癌ワクチンは改良していけばそう遠くない時期に実用化できるレベルになるとは思います。しかし今の時点で高評価はないでしょう。)


 ちなみにこの発表2010年ASCO No.e14675では、ダウンステージが図れなくても60%の方でがんが縮小し、100%投与された全員で腫瘍マーカーが低下しています。つまり投与されて奏功しない人は非常に少ないという明るい結果です。
 この内容に疑問をお持ちの方は、ASCOの発表を熟読の上、直接Mayo clinicにお問い合わせしてみてはいかがでしょう。

 勿論当方では、条件が合う膵臓・胆管がんの方でこの治療を希望される方はできる限りお受けします。

2010年6月8日


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