<難治性 成人T細胞白血病・リンパ腫に挑む> |
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血液疾患の中でも特に予後が悪いとされるATLにはいくつか特徴があります。 (1)HTLV-Tの持続感染が発症の原因 (2)急性型、リンパ腫型に移行すると治療を行うが、初回治療は奏効しても、再発すると有効な治療法が少ない。 (3)慢性型、くすぶり型の段階で治療を行っても有効というエビデンスは少ない。 (4)骨髄移植(ミニ移植も含む)は長期生存を期待できるが、再発する率も高く、又年齢的に不可能な例も少なくない。 以上を踏まえた上で最新の知見を報告します。 尚、このタイトルは“難治性”であるため、初回治療のLSG15の有用性(初めて生存期間が12ヵ月を越えた)などには触れません。 ATLの移行モデル 難治性ATLの治療の基本は「時計の針を逆に戻せ」です。又、慢性型にずっと病勢が止まることも重要です。上図の右側に移行しなければ、直接死につながらないわけです。 (1)2005年 ASCO No.6639 再発したATLに対し抗CD52抗体であるCampath(Alemtuzumab)が有効で、寛解したという報告。 以前よりマウスのATLモデルでは、2003年 Bload 102 284〜288、2003年 Cancer Research 63 6453 〜6457においてCampathの有用性が確認されており、大変期待できる治療法です。今年のASCOの報告で興奮した内容の一つでした。 (2)Bortezomib(ベルケード) プロテアソーム阻害剤ベルケードは慢性期〜急性期の初期に、急性期への移行を防ぐ点で有効と考えられています。 1.3mg/m2の投与を月2回行う事で部分寛解となり、1年以上慢性期を維持している例もあります。長期投与で血小板の低下に注意する必要があります。 (3)Cladribine(ロイスタチン) ロイスタチンもベルケードと同じで急性期には有効ではなく、慢性期から急性期に移行するのを阻止する役割があることが期待されます。 (4)抗CD25抗体 Zanapax(Daclizumab) 2003年 ASCO No.695 Zanapax 4mg/kg以上の投与を行い、2/11名にPR、3/11名に皮膚病変の改善を認めた。 また、9cYで標識した抗CD25抗体では、急性期を含めZanapaxより有効性が高いという報告もあり、今後注目される治療法です。 (5)Fodo sine ( BCX- 1777) 現在、米国でATL、T細胞性リンパ腫に対し臨床試験が行われています。日本でも、早急な臨床試験の導入が望まれますが、急性型(再発)にも期待できる治療であり、情報を集めることを希望します。 (6)少量ペラゾリン(MTS-16)+プレドニン持続併用 高齢者やQOLが低下したATL患者に適応される治療法。 ATL細胞と共存し、QOLを落とさず長期生存コントロールを目標とする。 WBC 3000以下 Hb 7g以下 P1+ 7万以下のいずれかで、減量又は中止を行います。 (7)インターフェロンα+ヒ素(Arsenic Trioxide) 2004年Hemotorony Jaunal5 130-134に報告された論文で、難治性・再発性ATLの約60%に有効という優れた成績。そしてArsenic Trioxideは比較的安く入手できるようになったので、現実的な治療と考えてよいでしょう。 (8)温熱療法 HTLV-I は他のウイルスと同様高熱に弱い特徴を生かし、主としてくすぶり型以前に試みられています。実施期間、間隔など全く未知数ですが、身体に負担がかからないという点では可能性があります。 |
| 2005年7月10日 |
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