在宅・緩和ケアでもできる治療


<Infliximab(レミケード)の末期・進行がん患者への投与
 によるQOL改善報告>


 一般的にもう治療法がないとされた進行がんの場合、未承認薬を含めた新たな抗がん剤の治療を行うか、 標準的な緩和ケアに移行するかが問題となりますが、新たな抗がん剤治療にはQOLを低下させる可能性があり、 しばしばPS低下例では投与できない場合もあります。

 それではPSが低下している末期がん症例には緩和ケアしかないと考えるかというと、そうではありません。 こうした例のPSを低下させている原因である血液中TNF、IL-1、IL-6などのサイトカインの働きを抑える事で、 末期がん患者でもQOLを落とさずに済む可能性があります。

 そこでこのサイトカインを抑える抗リウマチ薬レミケードを投与したところ、劇的なQOL改善が見られた例も あったため、以下に報告します。


1)投与条件
 レミケードを投与した例はいずれも固形がんの末期状態と判定された例。
 PSは全て2以上で、結核を含む重篤な感染症が見られない例。
 疼痛の有無は問わない。
 投与例は1月以上全て抗がん剤治療を行っていない。

2)効果
 投与例は、投与前と投与後を比較していずれも疼痛以外全身状態ののPS悪化はみられず、 改善例が半数程度見られた。
 特に改善ポイントは体重減少、食欲低下、発熱、全身倦怠感、うつ状態などである。
 ステロイド服用例でのステロイド減量が見られたことも評価すべきである。

3)投与形式
 レミケード100mgを4週間に一度の投与形式。

4)副作用その他
 重篤な副作用はみられない。
 疼痛の改善はみられない。
 抗がん剤治療ではないので病状の進展は防ぐことはできない。


(考察)
 この投与例の報告により、この治療法は末期がん患者において大きな可能性があることが示唆されました。
 今後多くの医療機関でのInfliximabの投与試行を呼びかけたいと同時に、新たな臨床試験の計画を望みます。

 レミケードは開業医を含む全ての点滴用bedを持つ医療機関で投与可能です。
 従い、進行・末期がん患者のQOL改善にプレドニン、リンデロンなどステロイドを使用するぐらいなら、 今後レミケードを併行使用していくべきだと考えます。

 最後まであきらめないがん治療は、なにも未承認の抗がん剤治療を使用するだけではありません。 直接的な抗がん剤治療を行わなくてもQOLを維持できる治療法もこのサイトでは紹介していきたいと思います。

 がん専門医から「もう治療法がない」として引き継いだ末期がん患者をモルヒネなどの痛み止め漬けにしたり、 ステロイドの大量投与を行うような、怪しい緩和ケア医の優しい態度にだまされないようにして頂きたいです。
 私の近くにもいますが、末期がん患者をころりと死なせるだけの医者に、どうか注意していただきたいものです。

 レミケードは進行がん・末期がん患者のQOL改善に、いまだ未知数ながら1つの希望の光を与える治療法の1つかもしれません。 この仮説を多くの医療機関と患者の同意を経て試行し、結果がどのようなものか報告を待ちたいと思います。

 繰り返しますが、レミケードの投与は全国どの医療機関でも可能です。 1つの医療機関だけが「優れた治療法」と主張しても客観性は乏しいのです。
 ぜひ、がん患者のQOLを大事にする医療機関は投与をしてみていただきたいと思います。 勿論この仮説が将来否定されることもありうると思いますが、まずは好成績でリスクも少ないのでここに報告します。

2008年4月21日


>>在宅・緩和ケアでもできる治療Topへ



Since 2004 Copyright (C) Takaki Imamura, All rights reserved.